進水式に行ってきた。
進水式とは、陸で造船された船を初めて水に入れることで、同時に船の命名も行われる祝い事の儀式である。
大分県の南東部はリアス式海岸の地形を持ち、造船業が中心産業のひとつを担っている。
造船会社が3つもあるので、佐伯市にとって「進水式」は日常行事のようである。
ひょんなことから「進水式を推進する会」という、ふざけた名前の会を知り、たびたび進水式のお知らせをいただいていた。
佐伯の人間には日常でも、漁港育ちの私にとっては珍しい進水式。
一度は見てみたいと憧れ、ようやく初めての進水式に挑んだというわけ。
せっかくだから、夏休み最後のヒマを持て余している男子ズも誘って。
初めての進水式
本日の会場は(株)三浦造船所。
特殊な船舶を建造する、オーダーメイドの船舶メーカーである。
東日本大震災ののち、海岸沿いの立地を懸念していち早くBCP(事業継続計画)を策定し、好事例としてセミナーなどで講演を行っている。
かく言う私もそのセミナーで事例を聞き、すっかり三浦造船のファンになってしまっている。

結婚披露宴会場っぽい案内看板。
「ご建造、心より感謝申し上げます」ということは、こののぼりは発注者からのものなのだな。
発注者である船主と三浦造船、両家のお祝いとなると、ますます結婚披露宴感が強くなる。

進水式のテンプレ、バルーンアーチと船名看板、それとのぼり。

「ご進水」という、初めて聞く言い回しが新鮮。

本日進水する船が屋根の向こうに見えて気がはやる。

関係作業員も多数参加。

地元の高校生によるファンファーレの生演奏も。
前置きが長い
いよいよ進水式のスタート。
ところが、さすがは祝い事。
門出を祝いつつ、安全祈願の儀式でもある進水式は神事が長い!
フラリとやってきた見学者にはちょっとツラい。
連れの男子ズも「まだぁ~?」とシビレを切らしている。
この日は子どもの団体も来ており、彼らもすっかり飽きている。

神事をこらえた人にはご褒美の餅まき(違。改めて進水式が祝い事だと実感。
長い神事のあとは関係者各位のあいさつ。
これも長い。
長くてツラいが、手間暇かけた特注船の誕生、そして初めての海なんつったら、生まれたての赤ちゃんの産湯みたいなもんだ。
感極まるものがあるに違いない。
長らくお待たせしました
関係者がクレーンから撮影したやつがこちら↓

内装などの仕上げが終わったら長崎・島原を運行する「レインボーかもめ」。
造船所
ところで、ここは造船所。

船もいいが、向こうに見える巨大なクレーンにもグッとくる。

ごちゃごちゃと、かつ、規則正しく走る配管がいい。
どこを見てもカッコイイものばかり。
進水式、それ自体もイイが、造船所そのものもイイ。
二度おいしいとはこのことだ。

「こないだ初めて進水式に行ってさぁ」と人に見せる写真がこれ。